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2026.04.24 コラム

民泊集客の最適解を探る。Instagram広告検証レポート(第1弾:3月集客レポート)

インスタ広告プレビュー

プロローグ:本記事の趣旨

民泊経営において「集客の柱」をどこに置くかは永遠の課題です。これまではOTA(予約サイト)任せだった集客を、オーナー自らの手でコントロールすることは可能なのか?本コラムでは、江ノ島の物件「サザンテラス江ノ島」を舞台に、SNS広告の有効性を毎月検証していく連載企画の第1弾をお届けします。

2026年春、卒業旅行や春休みを計画する大学生・新社会人をターゲットに実施したInstagram広告。昨年は行わなかったこの施策が、実際の予約数や売上にどう影響したのか。初回の検証結果を公開します。

 

1. 検証の前提:なぜ今、民泊で「広告による新規獲得」が必要なのか?

本題に入る前に、そもそもなぜ今回「広告費」をかけてまで検証を行うに至ったのか、その背景となる経営課題を共有します。
最大の目的は施設の「収益の最大化と安定化」です。

  • 単価の最大化(価格競争からの脱却): 競合が増加する市場において、OTA内での単なる価格競争に巻き込まれず、施設の魅力を直接伝えることで、値下げに頼らない適正価格での予約を獲得するため。
  • 閑散期の集客力の底上げ: そもそも自然な流入や予約獲得が厳しい時期において、SNS広告によって能動的にターゲットへアプローチし、稼働率のベース(底)を確実に引き上げるため。
  • 繁忙期の収益化強化: 予約自体は入ってくる時期ですが、市場内での激しい価格競争に巻き込まれがちです。広告を通じて施設の独自の魅力を直接伝えることで、競合と比較されても「ここに泊まりたい」と選ばれる指名買いを生み出し、適正価格またはそれ以上の単価で収益を最大化するため。

これらの課題を打破する「攻めの集客」として、SNS広告が本当に機能するのかを継続的に検証していくのが本コラムの狙いです。

 

2. 今回の施策:なぜ「大学生×Instagram広告×Airbnb」なのか?

今回の広告施策は、明確なターゲットと導線設計に基づいて行われました。

  • ターゲットは「卒業旅行・春休み」を計画する若年層
  • 2月中旬から3月中旬にかけて、春休みや卒業旅行を検討する大学生〜新社会人層にリーチ。彼らの主要な情報収集ツールであるInstagramを活用し、宿泊先候補としてタイムラインに視覚的に訴求しました。

  • リンク先を「Airbnb」に絞った理由
  • ターゲット層が使い慣れており、UI/UXが優れているAirbnbを直接の遷移先に設定。3月から4月初旬の「最需要期」の予約をピンポイントで獲得することを目標としました。

  • 【参考】実際のInstagram広告配信設定とクリエイティブ
  •  

    広告の精度を高めるため、Meta広告マネージャーにて緻密なターゲティングとクリエイティブ設計を行いました。(※実際のプレビュー映像は添付の参考動画にてご確認いただけます)

  • ターゲット設定:春休みのグループ旅行を計画している層
  • ・配信地域:東京都、神奈川県
    ・年齢:「20〜24歳」
    ・興味関心:「卒業」「ホームパーティー」「Airbnb」「国内旅行・観光」など

  • クリックを誘うクリエイティブ
  • 特徴的な青いラウンドソファやジャグジー、広々としたアイランドキッチンなどの魅力的な施設内写真を展開。「最大9名」「駅徒歩1分」「ジャグジー・キッチン完備」といった強みを視覚的に分かりやすく配置しました。

  • 若年層に刺さるコピー
  • 「みんなでシェアして春休みをお得に過ごそう!」というキャッチコピーを採用し、大人数で泊まることで1人あたりのコストを抑えられる民泊ならではのメリットを訴求し、クリック(詳しくはこちら)へと誘導しています。

 

3. 【結果公開】予算3万円で生まれた1,097クリックの実績

まずは、広告配信の基本パフォーマンスを確認します。予算約3万円という限られた枠組みの中で、非常に効率的な運用が実現しました。

指標項目 実績値 備考
消化金額 29,963円 約3万円の予算をフル消化
インプレッション数 57,047回 ユーザーの画面に表示された回数
リンククリック数 1,097回
クリック単価 (CPC) 27円 業界平均※(100円前後)を大きく下回る
※Meta広告における旅行・宿泊業界のクリック単価(CPC)は
概ね「50円〜150円」程度に落ち着くケースが多い
実質ページ閲覧数 (Airbnb) 612回 広告クリック後の想定到達率※:約56%
※Airbnb内での検索数も含まれるが、内訳が確認出来ない事から
広告効果検証用データとして定義する
平均成約率 2.45% リスティング閲覧からの成約率(Airbnb提供データ)

Airbnb提供のデータによれば、平均予約リードタイムは28.2日。このタイミングに合わせた配信により、広告期間中に12泊(売上942,000円)の新規予約を積み上げることに成功しました。

 

4. 検証:この成果は「広告の効果」と言い切れるのか?

予約が増えた要因が「単なる市場の盛り上がり」なのか「広告の成果」なのかを検証するため、プラットフォーム別の成長率を比較しました。

プラットフォーム 前年比売上伸び率 広告誘導の有無
Airbnb +42% (約50万円増) あり(メイン遷移先)
一休.com +1.7% (約1万円増) なし

広告を直接送客していたAirbnbのみが突出して伸びている事実は、広告が予約の意思決定に強く寄与したことを示唆しています。一方で、これが継続的な傾向となるかは、今後の連載で検証を続ける必要があります。

 

5. 周辺市場との比較:エリア内での立ち位置

提供されている市場データ※を用い、藤沢エリアの競合施設と比較した結果です。
※AIRDNA参照

指標項目 サザンテラス江ノ島 市場(藤沢エリア) 比較差
月間売上 1,978,000円 685,030円 約2.9倍
月間稼働率 83.87% 77.08% +6.79ポイント
RevPAR (収益性) 63,806円 28,542円 約2.2倍

 

6. 考察

  • 「Airbnb」の突出した成長
  • 注目すべきはプラットフォーム別の伸び率です。対象期間(3/1〜4/5)における前年比において、広告の誘導外である「一休」の売上が微増(+1.7%)に留まっているのに対し、広告の直接的な誘導先である「Airbnb」の売上は前年比+42%(約50万円増)と突出した成長を記録しています。外部要因(市場の自然な回復など)であれば一休も同等の伸びを示すはずであり、このAirbnb単独の劇的な伸びこそが、Instagram広告による集客の直接的な成果であると強く推察されます。

  • リードタイムとの完全な合致と「アドオン(上乗せ)」の成功
  • 対象チェックイン期間(3/1〜4/5)の全30泊のうち、広告開始前の「事前予約分」が16泊であり、約半数のベース稼働はすでに埋まっていた状態でした。そこへ、本物件の平均予約リードタイムである「28.2日」と完璧に噛み合うタイミング(2月中旬)で広告を投下した結果、出稿期間中に「12泊(売上94.2万円)」の新規予約を見事に上乗せ(アドオン)することに成功しています。事前の戦略通り、春休み本番の空室を広告がピンポイントで埋める役割を果たしました。

  • 安定した成約率と「低単価集客」の相性の良さ
  • 本レポートで得られた最も重要なインサイトの一つが、「Airbnbのリスティングページ閲覧からの成約率が2.38%(前月)→ 2.45%(今月)と極めて安定している」という事実です。 これは「ページさえ見てもらえれば、約50人に1人が確実に予約をしてくれる」という本物件のポテンシャルの高さを意味します。この法則に則れば、今回のようにInstagram広告を活用してCPC27円(広告視聴1回あたりの実質コスト約49円)という圧倒的な低単価でトラフィック(流入)を大量に流し込む施策は、サザンテラス江ノ島の売上を最大化するための勝ち筋であると考えられます。

  • 競合市場における圧倒的な優位性
  • AIRDNAの市場データにおいて、サザンテラス江ノ島と同様の物件条件(ベッドルーム数が4部屋、宿泊可能人数が1~9人まで、など)の周辺施設と比較した結果、月間稼働率で市場を上回るだけでなく、RevPAR(収益性)で約2.2倍、月間売上においては約2.9倍という圧倒的なパフォーマンスを記録しています。これは、市場全体の自然発生的な需要を待つだけでなく、広告を通じて「江ノ島エリアでの宿泊を潜在的に検討しているユーザー」を競合他社よりも先んじて囲い込む(自社ページへ誘導する)ことができた結果の表れです。

    ただし、これらの好結果は広告単独の成果だけではなく、以下のような複合的な要因も影響していると考えられます。
    ・Airbnbプラットフォーム内での検索順位の自然な変動(SEO効果)
    ・曜日影響や天候、エリア全体のインバウンド需要の回復
    ・過去の宿泊ゲストによるリピートやSNSでの二次拡散

 

7. まとめ:検証はまだ始まったばかり

3月の結果は非常にポジティブなものでしたが、これが春休みという特殊な季節要因によるものか、広告自体の持続的な力によるものかは、まだ断定できません。
次回の第2弾コラムでは、需要が落ち着く3月中旬~4月にかけて出稿する、GWへの予約獲得を目的とした広告のパフォーマンスを追いかけます。民泊経営の新たなスタンダードを探る本連載を、引き続きご注目ください。
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